音の芸術の原点を考える・・・『モートン・グールドの音楽』(EW-175)






アナログ・レコードの音の復刻CDを
オーディオパークにてさせてもらうために、
手持ちのオリジナル盤を使って録音してみました。
しかしながら、それは既に過去複数の会社からも
同じ作品の復刻CDが作られ、
発売されているために、私はその一つの、
日本の会社からの復刻CDを購入し、
さっそく聴いてみましたら・・・

いや、もう最初の出だしの音で
大笑いしてしまったのです・・・(笑)

その会社のパッケージには、
いかにも当時のマスターテープからの録音であるように
錯覚させる記述があって、
音の元がアナログ・レコードであるとも
書かれていないのですが、私にはそれが
アナログ・レコードからの音であることがすぐに
判りました。しかも、パソコンでノイズ除去の
処理がしてあるため、音は相当に加工されています。

アナログ・レコード特有のノイズは
確かに(ほぼ)ないので、とても聴きやすくは
なっているのですけれども、これでは全く
別の加工品で、つまらない音になっていました。

これはアナログ・レコードでもLPレコードの話
なのですが、最近読んだ『SPレコード誌』
(復刊8号、1995年4月発行)の中に、
こんな記事がありました。
執筆者が、知人に依頼されて、
「SP盤を録音したカセットテープ」をある方へ
送ったそうなんです。すると、そのある方から
「ジリジリ、ジャリジャリと豆を炒るような音が
耳触りで聴きにくい」と返され、
「コロムビアから出た復刻CDは、優秀な技術によって
針音を除去していて、極めて音質良好である(云々)」
と言われて驚いたという内容でした。

20年以上も前から言われていることですが、
今も全く変わらないんですよね(苦笑)

ノイズは少なければ少ない方が、
もちろん良い訳ですけれど、
当時の音というのが(本当に作品の価値を
理解する方には分かる)芸術なんです。

さて、モートン・グールドのSP盤を
最初に見つけたのは、もう随分前になりますが、
アメリカの中古レコード屋から送られてきた
カタログからでした。
そこはもう10年以上は前に廃業されて、
現在はありませんが、日本の新聞紙よりも
2まわり位大きな(ちょうど新聞のような紙とスタイルの)
カタログで、ジャンルもアーティストも区別なく、
小さな文字で(曲名とアーティストと、
レコード会社と番号、そして店の商品番号と価格が)
びっちりと記載されているだけのものでした。
もう虫眼鏡でもなければ見えないほどです・・・ 

そこに、2枚見つけた時は、もうびっくりでした(苦笑)
すぐにエアメールで注文しましたが、
ここは梱包もダイナミック(つまり、雑・・・)で、
SP盤はよく割れて届いたものでしたから、
心配しながら待ちました。

でも、そんなSP盤があること自体、知らなかったですし、
何の資料もありません。その辺の中古レコード屋さんに
尋ねたって、何にも知るはずもなく・・・
そういう探索を20代前半の私はしておりました(苦笑)

『モートン・グールドの音楽』(EW-175)は、
SP盤が4枚セットになったアルバムで、私はこの中の
所謂「セット崩れの2枚」を上記のように
最初に見つけた訳です。
何分古いものですから、4枚揃っていて、
ホルダー(LPレコードのジャケットに当たるようなもの)
まで付属しているものは、
そうそう残っていないでしょう。

SP盤のこのアルバムが発売されたずっと後に、
10インチのLPレコードで復刻されているのですが、
もちろん、まだ磁気テープをマスターにしている時代では
ないので、SP盤から吹き込んでいるものになります。

そんな、マスターテープにも匹敵するオリジナルの
SP盤ですが、やはりSP盤ですから、皮肉で使われた
「豆を炒るような音」は盛大にいたします(笑)
まぁ復刻CDは固定された缶詰のようなものですから、
目の前で聴くSP盤レコード・コンサートの音とも
違いますけれども、本当に芸術品を味わうには、
モートン・グールド御本人も聴いていらっしゃったであろう、
当時の音が一番の芸術品であることを
申し上げたいと思いました(笑)

※試聴の音質は製品と同じではありません。

試聴は『モートン・グールドの音楽』(EW-175)より
http://vintage-mood.net/?pid=7778645

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