年代物のレコードから「当時の音」を。『ラジオ関西10万枚のレコード物語〜あの感動をもう一度』今林清志(著)

今林清志 氏が書かれた本
『ラジオ関西10万枚のレコード物語〜あの感動をもう一度』を
昨年に購入して読みました。

中身は神戸新聞夕刊の文化面に2010年5月から
2015年1月まで連載されたものをまとめ、
再構成したものだそうです。

発行は2015年11月なので、
連載から約7年、発行からは既に2年近く
経っていた訳ですけれど、
この手の物語は発売された年月にあまり関係無く、
楽しく読める一冊です。
筆者の今林清志 氏は「ラジオ関西 電話リクエスト」が
終わる4年前から、ディレクターの一人として
御活躍されていた方だそうです。

現在の団魂世代だけでなく、若い人達にも
「古いけれど懐かしい」というレコードが人気に
なっているということで、
当時のレコードで「当時の音が聴きたい」という音楽好きが
増えている旨が最初に書かれ、
それらの思いを紹介して行く「紙上コンサート」というのが、
この本の趣旨になっています。

実際にラジオ関西にて使われた “書き込みのある”
レコード・ジャケットが、ほぼ毎ページに掲載されていて、
時代を物語る歴史も伝わってきます。
放送当時に聴いていらした方達には、
たまらなく懐かしく、思い出を甦らせるヒトコマかも
知れませんね(笑)

ムード音楽が取り上げられた日のものには、
クレバノフ楽団と、ヘルムート・ツァハリアス楽団の
日本盤LPジャケット(ともに昭和37年発売の)が
掲載されていました。この2枚とも、私は学生時代に
中古レコード屋にて手に入れていますので、
別の意味で懐かしいですが(笑)

その本よりも少し前、
2009年7月に流通会社を通して、
実際に日本全国のCDショップ店頭に並ばせていただいた
『レコードのムード〜シネラマ映画「世界の七不思議」編』
(EH-5001) は、1950から60年代当時のレコードを
そのまま使って録音させていただいたCDでした。
これは、あっという間に売り切れてしまいましたが、
作った私も含め、御購入くださった方の多くは、
現在の団魂世代よりも年齢は下の方だったように思います。

私自身が「当時、実際に聴いていた世代ではない」ので、
当時の情勢や、懐かしいという意味のヒットチャートとは
無縁の選曲をしています。
日本では未発売だった知られざるレコードは、
何枚も収録があります。

ですから、上記の今林清志 氏による本のタイトルの
一部にある「あの感動」というものは、
残念ながら私に無いのです・・・

では、音楽CD『レコードのムード』を通して、
何を提供しているのかというと、
それはCDを御購入くださった方々御自身にとって、
お宝になるかも知れない音楽作品との出会い、
つまり「発見」なんです。

演者の細かな息づかい等、レコードの音溝に込められた
「当時独特の音」に私は価値を置き、
録音自体を芸術として評価しています。
レコード盤特有のノイズも含め、アナログ録音には
色んな細かい(ノイズとされるものも含めた)音が
入っていますので、
それらを全部含めて「当時の録音作品」という解釈です。

一方、このノイズとされる音も含めた多数をカットして、
きれいに調整された録音の音楽は、
私にとっては「音楽のデータ」という解釈なんです。

この違いの意味は、お分りになりますか?(苦笑)


NHKにて過去に作られたレコード。音溝があるので、
何かが入っているのは違いありませんが、かけてみないと
実際には何が入っているのか分りません・・・ 
「もし、凄いきれいな音楽が入っていますよ」
と所有者から言われた時に、聴いてみたいと思うかどうか。
そんな音楽探索の冒険に御興味のある方には、
私の発表している復刻CDがお役に立てると思います(笑)

 

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